社内SEやめとけ?やってよかった? 社内SEのやりがいを現役社内SEの私が徹底解説

社内SEとは
転職希望者
転職希望者

社内SEって人気職種だし、ワークライフバランスも取れると聞くけど、実際のところ転職した後、飽きたりしてしまわないだろうか。

転職希望者
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社内SEとはいえ仕事なので、何かしんどいところもあるはず。

社内SEはIT業界において求人数の少なさやワークライフバランスの観点から人気職種になっていますが、業務内容が幅広く、やっていることがよくわからないと感じる方もいると思います。外からは見えにくい社内SEのやりがい、しんどいところなどを現役社内SEの私が解説したいと思います。

私は社内SEに転職して大変だなと感じる部分もありますが、これからお伝えするエンドユーザとの近さやそれに伴うやりがいを多いに感じており、転職して良かったと感じています。

社内SEになって一番に感じることは人からの感謝がとても多くいただけることであり、私にとって社内SEの最大のやりがいとなっています。

プロジェクトで大きな課題がある時、エンドユーザの方々の優しさや感謝を身近に感じることができています。自身の例ではエンドユーザにも迷惑をかけている事象がなかなか解決しない時に激励のメールをエンドユーザからもらったこともあり、感謝してもしきれないような思いで課題に取り組んだこともあります。

もちろん他にもなってよかったと感じる部分はあります。

この記事を見ると以下のことがわかります。

  • 社内SEのやりがい・メリット
  • 社内SEの大変さ・デメリット

自己紹介

  • 新卒でブラック中小企業SIerに入社
    パワハラが横行し、残業も100時間オーバーすることも多々
  • 転職活動を通じ、SIer→外資系ITコンサル→大手企業社内SEとキャリアアップ
  • 現在はホワイト大企業社内SEにてワークライフバランスも手に入れ、結婚や第1子誕生など人並みの幸せを感じながら生活

社内SEとは(SIerとの違い)

社内SEとは、企業のIT部門(情報システム部門など呼び方は様々)に所属する社員のことを言い、ITツールなどを導入し社内業務の効率化やコミュニケーションの活性化など、社内のIT利活用を促進することがミッションとなります。

一方、SE(システムエンジニア)とは、IT企業に属するエンジニアであり、クライアント(顧客)企業より受注したシステムやサーバーなどのハードウェアを構築、または保守運用などを担うエンジニアを言います。

社内SEは発注側、システムエンジニアは受注側となり、顧客と業者の関係になります。

社内SEの仕事の内容の詳細は以下の記事を参照してください。

社内SEのやりがい・メリット

私がSIerのSE時代と比べて感じたやりがいやメリットは以下の通りです。

  • ユーザが近くにいるので、声をダイレクトに聞きやすい。
  • システムを企業にITどう活かすかを考えるようになった。実際の利活用の場面に立ち合える。
  • 幅広く最新の技術に触れることができる。
  • 福利厚生や収入面が良い。

ユーザが近くにいるので、声をダイレクトに聞きやすい。

社内SEはユーザの声が近く、ダイレクトに感謝の声などを聞きやすいことは大きなやりがいとなります。

システム構築や改修などでユーザの業務を改善できた際ももちろんですが、意外と簡単なことでも感謝されることが多いです。

例えば、私の経験にはなりますがWindowsに搭載されている「Snipping Tool」を紹介しスクリーンショットの撮り方を教えたら「これすごい!」とやたら感謝されたことがあります。その方は今まで PrintScreen → ペイントでスクリーンショットの編集をされていたそうです。

他にもExcelの関数や簡単なマクロを使った例を紹介したことでも感謝されたことがありました。

私が社内SEとなって感じたことではありますが、一般的に事業会社の社員はITリテラシーが高くないですし、何かあってもGoogle等利用して調べる力がそこまで強くないので、些細なことでも感謝されることが多いです。

またこのようなエンドユーザとの接点を大切にすることで、いざエンドユーザの協力が必要となった時に非常に協力的になってくれますので、私はこのようなエンドユーザとの接点は疎かにしてはいけないなと思っています。

IT技術を企業にどう活かすかを考えるようになった。実際の利活用の場面に立ち合える。

社内SEはIT技術を社内にどう活かすかが主眼になる職業になります。SIer時代は要望に応じたものを作ることが主眼だったので、この違いは大きなものになります。

一般的にはシステム構築プロジェクトにおいては、開発〜本番稼働直後の初期流動期を除けばSEの人数はかなり絞られることが多いので、実際にシステムが活用されている様子に立ち会うことは少ないのですが、社内SEは構築後も保守やその後のシステム利用に関わることが圧倒的に多いです。

したがって、稼働したシステムに対してどのように活用されているか、さらに利便性を高めるためにはどのように改善を行なっていくのかを考えて行動していく必要があります。

私が社内SEになって特に意識するようになったことはシステムを構築するにしても、パッケージシステムを購入するにしても、業務での利用シーンをより具体的に考え本当に自社の役にたてるのかを考えることです。

SIer時代は作ったシステムが何のために利用されているかはイマイチわからないまま開発をし納品していましたが、社内SEになって納品されたシステムが活用されている様子を見ると、実際に導入してよかったな、役に立っているなと実感することも多くありやりがいにつながることがあります。

幅広く最新の技術に触れることができる。

社内SEは様々なIT技術の中から、社内に最適なものを選択し導入することがミッションになります。

幅広く様々な技術を見ることができ、仕事をしながら世の中の技術について理解を深めることができるのは大きなメリットだと思います。

私も実際に感じたのですが、某大手企業様のショールームにお邪魔させていただいたことがあり、世の中の技術進化は凄まじいものだと感じたことがあります。これはSIer時代にはない経験でした。

私もSIer時代も技術に関する勉強をしなかったわけではありませんが、どうしても自身に関連ある領域(私は元々ERPのエンジニアであったので、ERP領域)が中心となってしまうので、幅広くの世の技術に目を向けていなかったように今振り返れば感じています。

福利厚生や収入面が良い。

福利厚生や収入は完全に就業する会社そのものに依存するかと思いますが、筆者は前職と比べて収入は上がりました。

一般的には社内SEへの転職時に収入は下がることがあると言われていますが、福利厚生や様々な面を考慮するとトータルでは上がっています。

前職では手当は一切なく、基本給 + 残業代(残業すると怒られるので、つけられる時間に制限あり)のみでした。しかも、残業するにもお前は作業効率が悪いだの文句を言われる始末。。。

社内SEになってからは結婚し家族もできたこともあるでしょうが、家族手当や住宅手当、その他福利厚生なども一通り揃っており、前職までと比べると収入に対する満足度が高いです。私も会社の福利厚生もあって育児用品を若干安く買うことができたりして大変助かっています。

各種転職サイトを見ると、SE・プログラマーよりも社内SEの方が平均年収が高い傾向にありますので、収入面でも満足度が高い職種言えるのではないかと思います。

社内SEの大変さ・デメリット

筆者がSIer時代と比べて感じた社内SEの大変なところは以下です。

  • 上流工程に関わることが多いため、根回しなどの社内調整が多い。
  • 実際の開発に携わることがないので、スキル低下の懸念。
  • 質の低い問い合わせが多い。

上流工程に関わることが多いため、根回しなどの社内調整が多い。

社内SEになるとプロジェクトの立ち上げや中間報告、完了報告などプロジェクトマネジメントに携わることが多く、社内調整が非常に多くなります。

人前で話すことが苦でない方が全く問題ないことだと思いますが、私は人前で話すことが苦手なため毎回かなり緊張しながら説明をしています。笑

私も直属の上司などシステムに関する知見がある方への報告には苦労しないのですが、業務ユーザなどシステム用語が通じない方への説明はとても苦労します。特にシステムトラブルが発生した場合の原因説明は苦労することが多いです。

実際の開発に携わることがないので、スキル低下の懸念。

社内SEになると開発に携わることは、(一部の内製システムを除き)基本的にはなくなると思って良いです。

システム構築や保守などどのような場面においてもプログラムのソースコードなどの細かい部分はベンダー側のSEが理解していることになります。

したがって、技術志向の方で開発スキルを磨きたい方にとっては辛い環境になると思います。

私が思うには社内SEはプロジェクトマネジメントが主体の業務となるので、ご自身の進みたい方向性による部分かと思います。プログラミングなどの技術は確かに低下します。ですが、システム企画などの上流経験は一部のコンサルをのぞき社内SEでした味わえないものです。

システム化する業務を洗い出し、どんなシステムにしたいかなど考えられるのは社内SEならではの仕事だと私は思います。

質の低い問い合わせが多い。

ユーザとの距離が近くなるため、SIer時代と比べ問い合わせが増えますが、社内でITリテラシーの低い方が多いです。

システム構築を行う部門に所属していますが、問い合わせ内容も一般的なPCなどのトラブルシュートが多いため、こちらに聞かなくてもと感じることは多いです。例えば、私も実際に受けた問い合わせになりますが、PCが固まって動かないであったり、複合機への印刷ができないであったり、貸与されたスマホへのテザリングができないなどがあります。

社内の人間関係もあるので、仕方ない部分もありますが元々SIer出身の人間である私からすれば考えらえないような問い合わせもあるため、大変だなと感じることもあります。

結論:IT技術利活用に目を向けたい方は社内SEはオススメ

筆者個人の見解になりますが、企業とIT技術の橋渡し、つまり会社に生かせるIT技術を導入することが社内SEの醍醐味になります。

SIerのSE時代と比べものづくりなど、手を動かすことが減りスキル低下に対する不安はあるものの、導入したITシステムが社内で活用されている様子などを見たり、聞いたりすると導入してよかったと私は感じます。

どのようにシステムを作るかよりもどのようにシステムを活用してくかに目を向けたい方にとっては社内SEはオススメな職種だと思います。

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